「今日もお昼寝できませんでした」
そんな報告を先生から受けるたび、ちょっと心が苦しくなる・・・
そんな経験はありませんか?
- 子どもにも無理をさせてしまっているのかな?
- 保育園でお昼寝ができないって、そもそもダメなことなのかな?
- 帰ってからグズグズ不機嫌で、仕事終わりの疲れている自分には堪える・・・。
こんな風にお昼寝がうまくいかないだけで、心配やストレスを抱える保護者の方は少なくありません。
また、園によってはお昼寝ができないことで慣らし保育が長引き、復職スケジュールに支障が出た・・なんて話も耳にします。
この記事では保育士経験10年超の筆者が、
- 保育園でお昼寝できない時、保護者にできること
- そもそもお昼寝って絶対に必要なの?
- 寝かしつけのちょとしたコツは?
といった親御さんの疑問に優しくお答えします。
悩んでいる保護者の方の心が、少しでも軽くなりますように🍀

そもそも、なぜ保育園ではお昼寝の時間が設けられているのでしょうか?保育士の視点から見た「お昼寝の意味」について、要点を絞ってお伝えします。
保育園は、幼稚園と比べ短時間保育のお子さんでも約8時間、標準保育の場合は最大11時間半の長い時間を過ごす場所です。
そして、園では保育士が早番・中番・遅番といったシフト勤務をしているため、なかには「先生より長く園にいる子」もいるのです。
長時間、集団生活である”社会”で過ごす子どもたち。
楽しさもある一方、まだ小さな心と体には疲れもたまりやすく、集中力が切れたり、イライラしたりして、時にはケガやトラブルにつながることもあります。
だからこそ、お昼寝は心と体のリセットタイム。
安全に午後も遊び込む、穏やかに夕方を過ごすために、お昼寝は大切な役割を担っているのです。
子どもになんとか保育園で寝てほしい!「寝られなかったよ」報告が辛い・・。こう考える親御さんのために、お家でできるお昼寝対策を2つご紹介します。
私たち大人も夜ふかしをした日は目覚めが悪かったり、朝寝過ごすと1日調子が出なかったりということがあると思います。
ご家庭により、出勤時間や兄弟の人数など違うため、みんなにあてはまる最適解はないのですが、自分の家なりのリズムを探してみてください。そして大切なのは、なるべくそのリズムを一定に保つことです。
例えば、21時〜7時の睡眠が理想な場合、遅くとも21:30までには寝かせよう、7時にはとにかく声だけでも掛ける。こんな感じで家庭の実情に合わせたリズムを見つけ、なるべく守ってみてください。
もし大幅に狂ってしまった週があったら、保護者のお休みの日がチャンスです!少しゆとりのある日に理想のタイムスケジュールで寝かせると、リズムを立て直しやすいです。
生活リズムが整ってくると、決まった時間に眠くなったり、ご飯を食べたりできるようになり、保護者の負担感も減ってくると思います。
朝はみんな余裕がないので、朝食がおろそかになってしまうご家庭も多いのではないでしょうか?
朝食をしっかり摂ることで、お昼の時間までお腹が持ち、頭も働くので、たくさん消費し、お昼寝がしやすくなります。
ホテルの朝食バイキングのように色々用意しなくては!と張り切りすぎると続かないので、例えばパンなら汁物とヨーグルトをつける、ご飯なら卵とソーセージに汁物を添える等、無理のない範囲でやってみてください。
チーズやヨーグルト、果物など手軽なもので”あと一品”を意識するのが長続きするコツかと思います。
保育士から「寝られなかった」報告が続く時、そもそもお昼寝は絶対しないとダメなのかな?と疑問に思う親御さんもいませんか?
結論から言うと、「寝られなくても大丈夫」です。
大人でも場所、時間を問わず「いつでもすぐに寝られるよ」というタイプの人もいれば、「旅行などでホテルへ泊まると寝られない」という人もいますよね。過敏さや慣れるペースも人それぞれ。寝られないからダメということはないです。
ただ子どもの状況によるということは、付け加えてお話したいと思います。
いちばん重要なのは、お昼寝せず午後に突入した時の、子どもの様子です。
日中と変わらず、元気に遊べるのなら体力もあり、寝なくとも大丈夫なタイプだと思います。
反対に、
- フラフラしてる、足元がおぼつかない
- イライラして友だちとトラブルが多い
- 怪我が多い
午後、こういう姿が多い子は、まだお昼寝の必要な子ではないかと考えます。
お迎えの時間、保育園で過ごす時間の長さも子どもによって違います。帰宅後のの様子からも、お昼寝をした方がいいか?の判断材料になると思います。例えば、
- 夕飯も食べずに朝まで寝てしまう
- 夕方帰宅後グズグズと不機嫌な様子が続く
- 朝、起こしても起きられない
- 保護者の仕事の都合で、保育園で過ごす時間が長い(おおむね10時間超)
- 土曜保育を頻繁に利用し、週6登園になることがよくある
こういう状況の子は、お昼寝を推奨したいです。
理由は、午後集中力が落ち、怪我が増加したり、帰宅後グズグズ機嫌が悪くなったり、生活リズムが崩れていってしまうからです。

お昼寝って、思ったより難しい…寝てくれないとイライラしてしまう…そんな経験はありませんか?
保育士として多くの子どもと接してきた中で、お昼寝のサポートにはいくつかの“コツ”があります。今回は特に未満児のお子さんに向けて、実際の保育の現場でも行っている方法をご紹介します。
0歳の赤ちゃんは、まだ生活リズムも不安定。お昼寝のタイミングもバラバラで当然です。
この時期におすすめなのが、「バウンサー」の活用や首と腰が座れば「おんぶ」で寝かせるのも有効です。
ゆらゆらとした揺れが、お母さんのお腹の中にいたときのような安心感を与えてくれます。
1歳を過ぎて、絵本の読み聞かせをしながら寝かせようとすると、絵本の絵に夢中になってしまって、なかなか寝つけない…ということもよくあります。
そんなときは、素話(絵を見せずにお話だけを語る方法)や、子守唄がおすすめです。
視覚からの刺激を減らすことで、自然と目を閉じるようになり、眠気を誘いやすくなります。
◆ 保育士がしている!寝かしつけのちょっとした工夫
トントンと背中をたたくのも良いのですが、子どもによっては背中よりも足の方が落ち着く子もいます。
優しく足をさすっていると、温まってきてスッと眠りにつくことがあります。
また、「ホールドする姿勢」もおすすめです。
お子さんをバスタオルなどでくるんであげ、手もしまってあげ、おくるみのようにしてあげると、お母さんのお腹の中にいたときのような安心感を感じられ、眠りやすいケースもあります。
「この子はどんな方法が落ち着くのかな?」と模索しながら、少しずつ親子の呼吸を合わせていけるといいですね。
「子どもたちがぐっすり眠っている間、先生たちは何をしているんだろう?」
そんな疑問をお持ちの方も多いかもしれません。実は、お昼寝の時間は保育士にとって“見守りと裏方の時間”。ここでは、お昼寝中の保育士の仕事をのぞいてみましょう。
まず欠かせないのが、SIDS(乳幼児突然死症候群)対策としての見守り。
定期的に子どもたちの呼吸や姿勢をチェックしています。特にうつぶせ寝は、SIDSのリスクを高める一因と言われており、うつ伏せ寝になっていた場合は、やさしく仰向けに戻します。未満児の中でも1歳までの子は特にSIDSハイリスクのため、細心の注意を払っていて、静かなお部屋でも保育士は常に目と心を配っています。
子どもたちが寝ている間に、保育中の様子を記録する「連絡ノート」や日誌の記入を行います。
また、保育士同士で交代しながら少しずつ休憩をとったり、事務作業や保育室の整理・掃除などを進めておくことも。お昼寝中も意外とやることが多く、次の起きてからの活動に備えています。
もちろん、いつも全員がすんなり寝てくれるわけではありません。寝る時間も個々の生活リズムによりマチマチです。
なかには眠たくない子や、不安な気持ちでなかなか眠れない子もいます。そうした子には、絵本を読んだり、静かに遊んだりしながら、無理に寝かせることなく、落ち着いて過ごせる時間をつくっています。
お昼寝については、私自身、基本的には必要なものだと考えています。
子どもたちの心と体が大きく成長していくこの時期には、活動と休息のバランスがとても大切です。ただ一方で、子どもはそれぞれの家庭の生活リズムや体力の違いもあり、「お昼寝がたっぷり必要な子」もいれば、「あまり眠たくならず、夕方まで元気いっぱいな子」もいます。
そのため、みんなに同じ形で無理にお昼寝をさせるのではなく、一人ひとりのリズムを大切にしていきたいと思っています。
お昼寝については、「寝すぎると夜なかなか眠れない」「生活リズムが乱れがち」といった悩みを抱える保護者の方もいらっしゃるかと思います。
もし、ご家庭での様子に心配なことがあれば、どうぞ気軽にご相談ください。
保育園とご家庭が連携しながら、その子にとって無理のないリズムを一緒に整えていけたらと考えています。
子どもの様子に目を向け、一人ひとりのペースに合わせた柔軟な対応を心がけていきたいと思っています。
保育士から「今日も寝られなかったよ」と言われると、つい心配になったり、気にしてしまうかもしれません。
でも、どうか必要以上に考え込まないでくださいね。
お昼寝も、その子のペースがあります。
寝ても寝なくても、子どもはちゃんと育っています。
大事なのは「寝た・寝ない」じゃなく、今日も元気に過ごせたか。
焦らず、親子でできるだけ自然体でいきましょう。
「寝なくても、我が子らしくあって」
そんな気持ちで、明日も笑顔で送り出してあげてください🌻
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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この記事の感想はもちろん
・こんなことが知りたいな
・保育園の先生にはちょっと聞きにくいんだけど…
・子どもの発達、こんなことで悩んでいるよ
そんな小さなことでも大歓迎です。
あなたの声を、そっと聞かせてもらえたら嬉しいです✨