保育園に通うお子さんの「行きたくない！」という行き渋り。
登園前に泣き叫んだり、玄関で固まったり、何とか登園しても一日中しょんぼり…。
保育士としての経験から言うと、この“登園しぶり”は大きく2つのパターンに分けられます。
- 入園したばかりの時期に泣くタイプ
- 3歳頃〜の“園に慣れたはずなのに突然始まる”タイプ
それぞれ理由も対処法も違います。
保護者の方が「うちの子だけ…？」「ずっと続くのかな？」と不安にならないように、具体的なケースと対策をご紹介します。
「ママーーーーーーーーーーー！！」
「保育園行かなーーーーーい！」
「おやつ食べなーーーーい！」
ーーー4月の保育園でよく見られるやりとりです。
私も一日中おんぶしてたり、一緒にブランコに乗りながら保護者のお迎えを待ったり、「絶対お部屋に入らない！！！！！」と全力で拒否する子とお庭でおやつを食べたり、水分だけでもなんとか摂って欲しくて（脱水が心配なので）アレコレ工夫したり…。思い返すとお預かりしたお子さんの数だけ、忘れられない思い出があります。
今までずっとおうちの方と一緒に過ごしてきた子どもにとって、保護者と離れてひとりで集団生活を始めることは、とても大きな環境の変化です。子どもにとっては、心がざわついたり、戸惑ったりするのも無理のないことです。
ですので、このパターンの登園しぶりは、過度に心配しなくて大丈夫です。
お友だちができたり、安心できる先生と出会えたり、好きなおもちゃを見つけたり、給食が美味しかったり…。
子どもが“自分だけの安心ポイント”を見つけて、少しずつ「ここが自分の居場所」と感じられるようになると、自然と落ち着いていきます。
心配がないと分かっても、泣いている姿を見るのはやはり辛いものですね。仕事中にも、子どものことを思い出し、「業務が手につかない」なんて保護者の話もよく聞きます。
そんなみなさんに贈る、お子さんが早く園に慣れるコツ４選をおとどけします！
「大丈夫？」「寂しいの？」「帰りたいの？」と何度も声をかけたくなる気持ち、すごくよくわかります。でも、お子さんにとっては、いつまでも親の姿が見えていると、気持ちの切り替えがしにくくなってしまうことも…。
「行ってらっしゃい！」「（先生に）お願いします！」と笑顔であいさつをしたら、スッと園を出てみてください。お子さんの気持ちのスイッチが切り替わりやすくなります。
保育士は毎年この時期を経験しています。泣いているお子さんに対しても、たくさんの引き出しを持っているので、どうぞ安心して任せてくださいね。
「今日ちゃんと過ごせたかな」「ずっと泣いてなかったかな」——親御さんが心配になる気持ちは当然です。でも、そんなときほど大切なのが“笑顔で迎えること”
子どもにとっては、「泣いても、時間がたてばお迎えが来る」という経験が、安心につながっていきます。
笑顔での「おかえり！」は、子どもにとって「今日も頑張ったね」「ちゃんと会えたね」という信頼のメッセージになります。
子どもにとって、園生活ははじめての“社会”。緊張したり、エネルギーを使ったり、がんばっているのです。
休みの日は「今日は保育園ないんだよ」と安心させる時間にしてあげてください。
あえて園の話題を出さず、子どもの好きな遊びやスキンシップで過ごすことで、気持ちが整い、また新しい1週間をがんばるエネルギーがたまっていきます。
長いお休みのあと、「また泣くようになってしまった」「4月の最初に戻ったみたい…」ということはよくあります。
でも、安心してください。
子どもの中にはしっかりと「4月に頑張った経験」が残っているので、リスタートしても、以前よりずっと早く立ち上がれることがほとんどです。
「また泣くかもしれないけど、それも普通のこと」と、心の片隅で思っておいてもらうと、親御さんも不安にならずに済むはずです。
入園当初はスムーズに通えていたのに、ある日突然「保育園行きたくない」と言い出す——そんなケースも珍しくありません。
保護者としては「どうしたんだろう？」「保育園でなにかあった？」「私(保護者)が働き過ぎ？」など悩むところですよね。
この年少さん頃からの登園しぶりには、こんな背景が隠れていることが多いです。
- 下に赤ちゃんが生まれた（またはママが妊娠中）
- 園で嫌なことがあった
- とにかく「ママと一緒がいい」
ある程度言葉や気持ちを整理できる年齢だからこそ、理由のある登園しぶりも増えてきます。
その場合は、年齢や性格に合わせて、理由を探り、思いを汲み取って、丁寧に対応してあげることが大切です。
赤ちゃんが生まれたり、ママが妊娠中だったりする時期は、お兄ちゃん・お姉ちゃんにとっても大きな環境の変化です。
この時期こそ、保育園をフル活用してください。保育士は子どものプロ。おうちで一人で抱え込まず、保育園にしっかり頼ることで、お子さんにも保護者にも良い時間が生まれます。ご自宅にいる時間に少し余裕があれば、「上の子ファースト」の時間を意識してつくってあげることも、子どもの心を満たす助けになります。
また、園の先生とお子さんの様子を共有することで、より安心して園で過ごせるようになります。ちょっとしたことでも伝えていただけると、先生も配慮しやすくなりますよ。
「◯◯ちゃんにいやなことを言われた」「遊びたくない子がいる」など、子どもが不安そうに伝えてくると、親御さんとしては心配になりますよね。
でも、まずは落ち着いて園に確認してみてください。子どもはまだ、自分に都合のよいように話してしまうこともある年齢です。だからこそ、保育園と連携しながら、実際の様子を把握することが大切です。
その際は、感情的にならず「子どもがこう話していて少し気になっていて…」「事実を知って、どう関わればよいか考えたくて」といったスタンスで伝えると、園側もより丁寧に対応しやすくなります。
保育園は、家庭と一緒に子どもを育てる“パートナー”。困ったときこそ、お互いに協力しながら乗り越えていけたら素敵ですね。
年齢が上がってくると、「もっとママ・パパと過ごしたい」といった気持ちを、言葉で表現できるようになってきます。
そんな“さみしさ”が、登園しぶりにつながることもあるのです。
この場合、ご家庭の状況が許すようであれば、月に1回など「今日は特別にパパやママと一緒に過ごす日」をつくってみるのもおすすめです。
「親子デートの日」と素敵な名前をつけて楽しんでいるご家庭もありました。
兄弟姉妹がいる場合は、あえて上の子だけと過ごす時間を意識的に取ってあげると、心が満たされやすくなります。
その日は、たっぷり甘えて、たくさん遊んで、楽しく過ごしてくださいね。
大切なのは、「今日は特別な日だよ」「また明日から一緒にがんばろうね」と声をかけて、“毎日ではない特別な時間”であることをしっかり伝えること。
子どもは、大好きなママやパパとゆったり過ごせることで、心が落ち着き、また前向きな気持ちになれることがよくあります。
登園しぶりには大きく2つのパターンがあります。
【1】入園したばかりの不安による涙
→ 新しい環境への戸惑いが原因。ほとんどのお子さんが、自然と落ち着いていきます。
▶︎ 保護者ができること
・送りはサッと、迎えは笑顔で
・休日は園の話題を控えめに
・「泣いても、帰りに迎えが来る」を経験させて安心感を積み重ねる
【2】3歳ごろから始まる“理由のある”登園しぶり
→ 心や環境の変化を受け止めてほしいサインかも。
主なきっかけ
・下の子が生まれた、ママが妊娠中
・園でのトラブル・不安
・「ママ・パパともっといたい」気持ち
▶︎ 保護者ができること
・保育園と連携し、事実を冷静に把握する
・特別な「親子の時間」を意識してつくる
・感情ではなく“関係”で寄り添う姿勢がカギ
🧸 登園しぶりは「うちの子だけ？」と感じるかもしれませんが、実はとてもよくあること。
一時的なことがほとんどなので、焦らず・抱え込まず・ひとつずつ向き合っていければ大丈夫です。
💬 子どもにとっては、保護者の不安げない姿こそが最大の安心材料。
「きっと大丈夫」と信じる気持ちが、子どもの心を支える力になります。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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