保育園・幼稚園・子ども園…どこを選ぶ?見学で絶対チェックすべきポイント【保育士ママ直伝】

保育園と幼稚園、何が違うの?


まず大きな違いとして、“誰が運営を見ているか”という「管轄」があります。

保育園は【厚生労働省】、幼稚園は【文部科学省】がそれぞれ管轄しています。
実は幼稚園は、“学校”という位置づけになるんです。

最近は「認定こども園」も増えてきましたが、もともとが保育園だったのか、幼稚園だったのかで、保育のスタイルや雰囲気にちょっと違いがあることも。気になる園があれば、その成り立ちを確認してみるとヒントになりますよ。

そのほかの違いとしては…

  • 保育時間の長さ
  • 長期休みの有無や期間
  • 給食があるかどうか(お弁当の日があるか)
  • 保護者が働いているか(共働き)どうかが問われる

などがありますが、これは園ごとにちょっとずつ違いがあるので、見学や説明会でしっかりチェックしたいところです。

ざっくり言えば、

幼稚園は、保育時間が短め・長期休みが長い・給食ではなくお弁当が必要な日がある・親の就労条件は問われない

保育園は、共働きなど保護者の就労状況が条件に関係していて、長時間の保育や給食の提供が基本

というのが一般的なイメージかなと思います。

保育園・幼稚園選び、迷ったらまずは見学!見るべきポイント全部教えます

初めて子どもの入園先を探す際、ぜひ”見学”をしてほしいです。

園に申し込みをすれば日程調整し、見学の受け入れをしてくれると思います。(園によっては一斉の見学日を設けているところもあるかもしれません。)

また、園開放や未就園児交流なんかに行くのもおすすめです。

園見学でまず見るべきはココ!“職員同士の雰囲気”が子どもの安心につながる理由

園見学で一番にチェックしてほしいのは…「職員同士の雰囲気」!
えっ、そんなところ?と意外に思われる方もいるかもしれませんね。

でも、保育園や幼稚園は、お子さんが1日の大半を過ごす“もうひとつのおうち”のような場所。そこで働く職員たちの関係性が、実はとても大きな影響を与えます。

職員同士の仲が良いと、何かトラブルが起きた時にもすぐに相談し合える環境があり、結果的にお子さんが安心して過ごせる場になります(もちろん、馴れ合いではなく“良い距離感”が大切ですが)

特に注目してほしいのは、若手の先生たちの表情や様子です。怯えていないか、ぎこちなくないか、保育を楽しんでいる様子があるか?――そんな観察が大切です。

なぜかというと、もし怖い先輩やピリピリした雰囲気があれば、トラブルを相談できなかったり、隠してしまうこともあるからです。そうなると、保護者への情報共有が不十分になったり、お子さんへの対応に影響が出ることも…。

また、“見て判断”も大切ですが、「感じ取ること」も忘れずに。なんとなく「この園、ちょっと違和感があるな」と思ったら、その直感も大切にしてほしいです。言葉にできなくとも、“合わない空気感”というのは確実に存在します。

“仲良し”と“馴れ合い”は別もの!いい園にある本当のチームワークとは?

職員間の“仲がいい”=“いい園”とは限らない
先ほどの章では「職員間の雰囲気が大事」とお伝えしましたが、ここでひとつ注意しておきたいことがあります。

それは――馴れ合い」はNGということです。

仲が良いのはいいこと。でも、それがただの馴れ合いになってしまうと、肝心なところで連携や改善ができなくなってしまいます。

大切なのは、先生たちが“子どもにとっての”最善”を考えて動いているかどうか。保育には明確な“正解”がないからこそ、職員同士の信頼や尊重、助け合いがとても重要です。

良い園では、年齢や立場に関係なく「こうした方がより良いよね」と意見が言い合えたり、「今日はあの先生ちょっと大変そうだから手伝おう」と自然に助け合いが生まれます。

逆に、組織としてうまく機能していない園では、うまくいかない先生に冷たかったり、フォローがなかったり…。時には「あの先生、ちょっと苦手」など、子どもたちに伝わってしまうほどの不仲さが見えてしまうことも。

見学の時は、職員同士の空気感が“仲良しこよし”ではなく、ギスギスしてない、けれど言うことは言える、大人な集団なのか?ちゃんと“チーム”として機能しているか――そんな視点で見てみてください。

小さなトラブルこそ“園の本質”が見えるチャンス!

園見学のとき、もしも何かしらの小さなトラブルに出くわしたら…不謹慎に聞こえるかもしれませんが、それはむしろ“チャンス”です。

たとえば――

・子ども同士のケンカ

・子どものちょっとしたケガ

・若い先生がベテランの先生になにか相談ごとをしている様子

こういった場面から、園の“組織としての対応力”が垣間見えるのです。

見るべきポイントはたくさんあります

  • 先生は子どもの話を最後まで丁寧に聞いているか?
  • 大人が一方的に“ジャッジ”していないか?(今は子ども主体の保育が求められる時代です)
  • ケガの報告は正確か?きちんと上の人に伝え、適切に対処しているか?
  • 相談を受けたベテランや役職者の対応はどうか?相談してきた先生を責めたり、責任転嫁していないか?

たとえばもし、年配の先生が若手に「〇〇先生がボーッとしてちゃんと見てなかったんでしょ、自分で対処してよね」などと責めていたら…その若手の先生は萎縮して、今後相談しづらくなってしまうかもしれませんよね。

そんなやりとりから、園全体の風通しの良さや、“子どもファースト”な文化が根付いているかどうかが見えてくるはずです。

公立・私立の違いも押さえておこう


ちなみに、公立の園や私立でも系列園が複数あるようなところでは、先生の異動があるため、見学で感じた雰囲気と、実際の入園後の雰囲気が異なることもあります。

「見学のときに感じが良かった先生がいなかった…」というのは、よくある話です💦

でもそれは裏を返せば、「今年はちょっと合わない先生だったけど、来年には違う先生になって良かった!」ということもあり得ます。

こうした“先生が固定でない”園を選ぶ場合は、

  • 人事異動があることを前提にたくさんの人と関わってほしい
  • 園全体の雰囲気が安心できそうか?
  • 園の方向性や親御さんが感じた空気感は我が子に合いそうか?

という視点で選ぶのがおすすめです。

特に公立の園の“無難さ”や“安定感”という点は、ひとつの安心材料になるかもしれません。

見学でここも見て!“人的・物理的環境”のチェックポイント

【1】壁面飾りが豪華すぎない?装飾の裏にある「先生の負担」

保育室の壁に貼られた季節の飾り、カラフルで可愛いですよね♡ 私も見るのは好きです(作るのはちょっと苦手です…笑)

でも、ちょっと待って!装飾に凝りすぎている園は、実は保育士の負担がとても大きい可能性があります。

正規職員の先生が、日常業務に加えて壁面制作をしていると、持ち帰り仕事やサービス残業が多くなりがちです。中には徹夜している先生も…。

また、派手すぎる装飾は子どもにとって“刺激が強すぎる”ことも。見た目ばかりにこだわる園は、業務過多で子ども主体の保育からずれてしまうこともあるので、見学時にはそのあたりも気にしてみてくださいね。

【2】お掃除が行き届いてる?清潔感は安心感につながる

子どもたちが過ごす場所の清潔さは、とても大切なチェックポイントです。

保育室の床におもちゃが散らばったりせず、子どもの歩く導線が確保されているか、食べこぼしはそのままになっていないか、トイレの床が汚くないか?など、細かなところまで見てみましょう。

おもちゃが散乱したままだと、子どもたちは注意が散漫になったり、思わぬケガやトラブルが起きやすくなります。特にグレーゾーンや発達に特性のあるお子さんにとって、整理された環境は安心感につながります。

保育士が忙しい中でも掃除や片付けに心を配っているかどうかは、園の“子どもファースト”の姿勢が見えるポイントです。

【3】保育士の人数は足りてる?先生たちの様子にも注目

見学時、先生たちの様子はどう見えますか?

未満児クラスでは特に、先生が余裕なく動き回っていたり、ひとりの先生が複数の子の面倒を見ていてアップアップしているような状況があれば、ちょっと注意が必要です。

もちろん認可園では最低限の人数配置は守られているはずですが、「余裕を持って見守れているか」「子どもひとりひとりに目が届いているか」も大切な視点。

加配や配慮が必要なお子さんに、ちゃんと支援が行き届いているかも確認できると安心です。

【4】行事が“映え”重視になってない? 

運動会や発表会、劇などの行事が豪華で、保護者が感動する演出ももちろん素敵。

でも、あまりに“揃いすぎている”・“完璧すぎる”行事が多い園は、保育士のプレッシャーや、子どもへの指導の厳しさが隠れていることも。

見学では、行事について「どんな感じ(雰囲気)ですか?」と聞いてみると、本音が見えることもあります。

これは私の保育士としての考えですが、”行事のために日々の保育があるわけではない”と思います。「普段の子どもの姿」を軸に、”少し頑張った姿”見せてくれる行事こそ、本来のあり方かもしれませんね。

【5】毎日たっぷり体を動かせる?園庭の有無と“外遊び”への工夫に注目

園見学で意外と見落としがちなのが、「外遊びの環境」です。

園庭があるかどうかはもちろんのこと、「園庭がない・狭い園が、代わりにどうやって子どもたちを外へ連れ出しているか?」も大切な視点です。

最近はビルの中にある園や、都心部で敷地が限られている園も多くなっており、園庭がない=NGとは言い切れません。その代わり、散歩や公園への外出頻度が多いか、保育士が安全に園外保育に対応できる体制があるかがカギになります。

見学時にチェックしたいのは、

  • 園庭がある場合 → どのくらいの広さ?遊具の種類や安全性は?園児みんなが遊ぶ広さが十分かな?
  • 園庭がない場合 → 散歩に頻繁に出ているか?天候不良時はどうしてるの?
  • 外遊びに対して、先生たちはどんな捉えなのか?

外遊びは、体づくり、生活リズム、情緒の安定など、子どもの発達に欠かせない要素。園としてどう捉えているのか、話の中で見えてくるものがあると思います。

ぜひ、「どれだけ外に出て体を動かせるか?」という視点で、物理的環境にも目を向けてみてください。

共働き家庭は要チェック!仕事と両立するための保育時間&休日保育のポイント

特に共働きでお仕事をされているご家庭の場合、入園前に保育時間を確認し、保育時間内に無理なく送り迎えができるかをしっかり確認しておきたいところです。

また、土曜保育の利用予定がある方は、次の点も要チェックです👇

  • 何人くらいが利用しているか?(小規模園では「今日はうちの子だけ…」ということも)
  • 保育時間は平日と同じか?(短縮されている園もあります)
  • 土曜を利用したら、平日に保育園をお休みしたほうがいいのか?
  • 夏休み・冬休みの長さはどのくらいか?休み中のお預かりはあるか?時間や利用料、お弁当の用意は必要か?

さらに、行事の頻度や保護者参加の有無なども、あらかじめ聞いておくと後々「こんなにあると思わなかった!」「想定外!」と焦ることが減りますよ☺︎

幼稚園×長時間保育、“はざまの子”が抱えるしんどさとは?

最近、幼稚園の教育的なプログラムをしっかりこなしながら、保育時間が朝から夕方までと長く、まるで保育園のように通っているお子さんが増えています。
これは一見「充実していて良いこと」のように感じられるかもしれません。

けれど、実際に幼稚園教諭だった時、この“はざまの子”と呼ばれるような子どもたちが、疲れやストレスを溜めてしまい、気持ちが不安定になったり、時に乱暴な行動が増えたり、ふとしたときに寂しさを漏らしたりする姿も見られたのです。

たくさんの刺激を受けて過ごす毎日は、体力や感情の調整力がまだ未熟な子どもにとっては、実はとても大きな負担になっていることもあります。

そんなときは、少し立ち止まって、「この子に合っている環境はどこかな?」と見つめ直してみるのも一つの選択かもしれません。

例えば、保育園のように、ゆったりとした流れの中で生活や遊びを中心に過ごせる環境であれば、子どもにもゆとりが生まれます。

子どもの、”高い集中力で取り組める時間”は限りがあります。長い時間を園という”社会”で過ごすのなら、「安心できる」「休息もとれる」環境の中で自分を発揮できることが、本来の力を伸ばすカギだと私は思います。

共働きで長時間保育を利用しているご家庭は、お子さんの様子に目を向けながら、こうした視点もひとつの判断材料として持っておいていただけたら嬉しいです☺

まとめ:園選びは“我が子に合った場所”を見つけることから

保育園・幼稚園・こども園、どれが正解かは家庭によって違います。大切なのは、「うちの子にとって安心して過ごせる場所かどうか」

見学時は、以下のポイントをチェックしてみてください。

  • 園全体の雰囲気は落ち着いているか?
  • 職員同士の関係性は良好か?
  • 子どもへの関わり方に温かさや配慮があるか?
  • 保育環境(人的・物理的)は整っているか?
  • 保育時間や休日保育は家庭の働き方に合っているか?
  • 行事の頻度や内容は、無理なく参加できそうか?

ひとつずつ確認しながら、“わが家らしい園選び”をしていけるといいですね☺︎

ここまで読んでいただきありがとうございました。

この記事の感想はもちろん、

・子どものことで悩んでいる

・我が子の担任の先生には聞きづらいけど、匿名なら聞きたいこと

などありましたら、コメントやお問い合わせメッセージを遠慮なくお寄せ下さい♪

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