保育園・幼稚園の担任はどう決まる?クラス編成と先生の配置の仕組みを解説

はじめに:担任の先生ってどうやって決まるの?

新年度が近くなると、「うちの子の担任はどんな先生になるのかな?」「どうやって先生って決まっているんだろう?」と気になる保護者の方も多いのではないでしょうか。

私は10年以上保育の現場にいる中堅保育士として、人事を直接決める立場ではないものの、毎年のクラス編成の様子や、主任や園長先生たちの考え方をそばで見てきました。

この記事では、保育園・幼稚園のクラス担任がどのように決まっているのか、その仕組みや現場のリアルをできる限りわかりやすくお伝えします。

保育園・幼稚園に共通するクラス編成の考え方とは?

新年度のクラス編成は、園全体が円滑に機能するように、さまざまな視点から慎重に考えられています。
基本となるのは、各保育士の適性や経験、年齢層のバランス、そして先生同士の相性です。年齢は若すぎる人だけで組む、ベテランばかりが組むことがないように考える場合が多いです。また、チームで動くことが多い保育現場では、人間関係の調和が保育の質にも大きく影響するため、こちらも大切なキーポイントです。

そして、特別な配慮が必要なお子さんがいる場合には、どの先生がそのお子さんにつくかも重要な判断材料となります。その子にとって安心できる環境を整えるために、経験値や性格的な相性を重視した配置が検討されます。

実際の人事決定は、園長や副園長が中心となって行いますが、現場をよく知る主任保育士の意見が反映されることも多くあります。主任は職員同士の関係や日々の動きに精通しているため、具体的な連携が取りやすいような組み合わせになるよう調整が図られています。

幼稚園の場合:1人担任制の中での工夫と役割分担

幼稚園では、原則として各クラスに1人の担任がつく「1人担任制」が基本です。子どもたちの日々の生活・保育・行事対応まで、1人の先生が中心となって取り組むため、担任には一定の経験と判断力が求められます。

そのため、経験の浅い若手の先生には、以下のような形でサポート体制が整えられることがあります。

  • 年少クラスなどを受け持ち、補助としてパートの先生がつく
  • ベテランの先生と同じ学年に配置し、日常的な相談や連携がとりやすいようにする
  • 副担任として経験を積み、次年度以降に担任を任せられるよう準備する

若い先生が担任になることもありますが、園としてもこのようにフォロー体制を整えていますので、安心してお子さんを預けていただければと思います。

パート職員はどのように配置される?

幼稚園では、パート職員が2~3人程度しかいないことも珍しくなく、限られた人員をどこに配置するかはとても重要です。

主に以下のような場面で配置が検討されます。

  • 配慮が必要なお子さんがいるクラスでの補助
  • 若手担任のフォロー役として
  • 年少児クラスで、まだ生活リズムが安定しない子どもの補助として

それぞれのクラスの状況や担任の経験に応じて園全体で調整し、効果的な配置が行われています。

保育園の場合:複数担任制と年齢ごとの特色

保育園は、0歳児から5歳児までと幅広い年齢の子どもたちが通っており、年齢ごとに保育のスタイルや必要な支援が異なります。そのため、クラス編成も幼稚園以上に複雑で、複数担任制を基本とする場合がほとんどです。

特に0〜2歳児の「未満児クラス」では、子どもたちの生活面での支援が多く必要とされるため、必ず複数の保育士が配置されます。3歳以上の「以上児クラス」でも、加配の有無や園の方針によって複数担任体制となることが多く、年齢やクラスの状況に応じた柔軟な配置が行われています。

担任の配置では、以下のような観点が重視されます。

  • 職員の適正からの配置(「この学年を経験したことがある」という経験値や、赤ちゃん向き、大きい子が得意など)
  • 職員同士の相性や連携のしやすさ
  • クラス職員全体の年齢バランスや性格的な補完関係

※たとえば、子育て経験のない若い先生が0歳児クラスに入る場合は、必ずベテランのママ保育士とペアを組むようにするなど、クラスが立ち行かなくならないように、現場での工夫がされています。

余談ですが、年中クラスは保育内容のバランスや子どもの自立度などの観点から、若手保育士が担任デビューしやすい学年とされることが多いです。一方で、年少クラスは初めて集団生活に入る子どもが多いため、生活習慣の確立が必要で保育の難易度が高く、年長クラスは小学校への橋渡しや対外的な対応が増えるため、いずれもある程度の経験が必要とされます。

特別な事情がある場合の調整例

クラス編成では、保育士一人ひとりの適性や経験だけでなく、年度途中で起こる可能性のある事柄にも配慮しながら配置が行われることがあります。

たとえば、妊娠中の職員がいる場合は、年度末までの勤務が難しいことが見込まれるため、途中での入れ替えにも対応できるよう、人員に余力のあるクラスに配置することがあります。また、退職が決まっている先生がいる場合も、引き継ぎをスムーズに行えるようなチーム体制を組むなどの工夫がされます。

ただし、こうした配慮がすべての園で完璧にできるとは限りません。慢性的な保育士不足の中で、どうしても限られた人数でやりくりしなければならない場面もあります。その中でも、できる限り子どもたちが安心して過ごせるよう、園は最大限の調整を行っています。

園側が見据えているのは、「年度を通して安定した保育を続けられる体制をどうつくるか」。保護者の方にとって見えづらい部分ではありますが、職員の健康状態やライフステージの変化なども含めて、全体がスムーズに機能するようにベターな選択を考えているのです。

まとめ:園は子どもと先生の“最適な組み合わせ”を真剣に考えています

新年度を迎えるにあたり、「どんな先生が担任になるの?」「うちの子に合う先生かな?」「あの先生がいいなあ〜」と、不安や期待が入り混じる保護者の方も多いと思います。

でも、保育園や幼稚園では、毎年のクラス編成に時間をかけて、子どもたちにとって安心できる環境になるよう真剣に考えています。先生の経験や性格、保育観、人間関係、園全体のバランス…。目には見えにくい部分まで含めて、丁寧に話し合いが行われているのです。

担任の先生も、保護者と同じように「この子のために何ができるか」を日々考えている存在です。気になることがあれば、遠慮せず担任や園に相談してみてください。園と家庭が協力し合うことで、よりよい1年をスタートさせることができるはずです。

新年度、お子さんにとって楽しく充実した園生活になりますように。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

この記事の感想はもちろん、

・子どものことで悩んでいる

・我が子の担任の先生には聞きづらいけど、匿名なら聞きたいこと

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