現役保育士が伝授!“ダメ”の代わりに伝えたい魔法の言葉

ダメって言ってもやめないのはなぜ?──「やるべきこと」がわからないから

「またそういうとこに登ってー!ダメでしょ?」

こんな風に注意したのに、数分後にまた同じことを繰り返す子ども…「さっきダメって言ったよね?」と、親のイライラが募ってしまう。そんな経験、ありませんか?

最近の保育現場では、「ダメ!」などの否定的な言葉はなるべく避けようという考え方が主流になってきています。なぜなら、子どもは「ダメ」と言われても、何がいけないのか・どうすればよいのかがわからないからです。

禁止の言葉だけでは、怒られたことだけが残り、子どもにとって“行動のヒント”にならないのです。

魔法の言葉はこれ!──やってほしい行動を「具体的に」伝えよう

では、実際どう声をかけたらいいのでしょうか?

たとえば先ほどの”危ない場所に登る”子に対してなら、
「ダメ!」ではなく、
降りようね
これだけでOKなんです。

さらに効果的なのが、「なぜ降りてほしいのか」という理由を添えること。
「ここから落ちたらどうなるかな?」と子ども自身に問いかけてみると、自分なりに答えを出してくれます。そこで、
「そうだね、落ちたら怪我して痛い思いしちゃうよね。だから降りようね」
と、理由と希望する行動をセットで伝えると、理解が深まりやすくなります。

最初はつい「ダメ!」と言ってしまうこともあると思います。でも、そんなときはあとから理由を添えて補足するだけでもOK。
「ダメ!………落ちたらお怪我して病院に行くことになるかもしれないよ。だから降りようね」
と、丁寧に伝えてあげてみてください。

その場の“交渉”より、事前の“お約束”が効く!

出先で「お菓子、買って〜!」や「まだ帰りたくない!」と子どもに言われ、つい


「おうちでチョコ食べよう?」
「家でテレビ見よう!」と“交換条件”のような声かけでその場を切り抜けた経験、ありませんか?

実はこれ、子どもにとっては「お願いすれば通る」「泣けば何かもらえる」と学習してしまうきっかけになることがあります。

もちろん毎回いけないわけではありませんが、その場の交渉に頼りすぎると、親子ともに後出しじゃんけんのようになり、モヤモヤが残ることも…。

そこでおすすめなのが、あらかじめ“お約束”をしておくことです。

たとえばお出かけ前に、
「今日は昨日買ったから、スーパーでお菓子は買わないよ」

公園に行くとき、
「時計が〇時になったら帰るよ」
と伝えておくと、子ども自身も“心の準備”ができ、気持ちが整理しやすくなります。

ポイントは、行動の前にきちんと伝えておくこと。
子どもは、先の見通しがあると不安が減り、切り替えがしやすくなるのです。

小さなお子さんでも、短い言葉ではっきり伝えれば理解できますし、年齢が上がるほど「さっき約束したよね?」という声かけがとても効果的になってきます。

お互いに気持ちよくお出かけや買い物を終えるためにも、「事前のお約束」、ぜひ取り入れてみてください。

ごほうびじゃなく“見通し”で!子どもの行動がスムーズになる声かけ

「お片付けしないとおやつあげないよ!」
ドキッとした方、いませんか?
あまりに子どもが言うことを聞かないとき、つい口から出てしまった経験、きっとあると思います。

ただ――
結局子どもが片付けなくて、こっちがイライラしただけ…そんな“言い損”の経験、ありませんか?

実はこの言い方、子どもにとっては「怒られてる」「責められてる」と感じやすく、反発やグズグズにつながることが多いんです。

本当に伝えたいのは「お片付けをしてほしい」こと。
だからこそ、“どうして片付けるのか”という理由や、その後の楽しみが待っているよという見通しをセットにして伝えてあげると、子どもの行動がぐんと変わります。

たとえば、こんなふうに言い換えてみてください👇
「お片付けが終わったら、おやつにしようね」
「おもちゃをそのままにしてたら踏んでケガしちゃうかも。おもちゃもおうちに帰りたいって言ってるから一緒に入れてみよう!」

このように伝えると、

  • 子どもが何をすればよいかが明確になる
  • おやつを楽しみに、前向きな気持ちで片付けに取り組める
  • 物を大切にする心も育ちやすくなる

など、メリットがたくさん!

小さな一言の工夫で、子どもとのやりとりがぐっと楽になり、親も余計なストレスが減っていきます。
ぜひ「言い換え」の引き出しを、ひとつ増やしてみてください。

まとめ:伝わる言葉で、子どもともっと分かり合える毎日に

子どもに「ダメ!」と伝えてもなかなか響かない…そんな場面は子育ての日常の中にたくさんあります。そんな時には

  • 「してほしい行動を具体的に伝える」
  • 「事前にお約束をする」
  • 「理由と見通しをセットで伝える」


このちょっとした言葉の工夫で、子どもの理解はぐんと深まり、親子のやりとりも驚くほどスムーズになります。

声かけは、怒るためのものではなく、一緒に気持ちよく過ごすためのツール

毎日の中で少しずつ「伝え方」を変えてみるだけで、子どもとの関係がより穏やかに、信頼感のあるものになっていくはずです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

この記事の感想はもちろん、

・子どものことで悩んでいる

・我が子の担任の先生には聞きづらいけど、匿名なら聞きたいこと

などありましたら、コメントやメッセージを遠慮なくお寄せ下さい♪

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