保育士ってどんな職業だと思いますか?女性の多い職場、怖そう、「給料安い」ってよく聞くなあ…。ネガティブなイメージの方もいるかもしれません。
結論を言うと、私はこの保育士という仕事が本当に大好きです!天職だなと思っています。
ただここまで来るのには、たくさんの思い出、経験、失敗などがありました。この先の章でそのことをお話していきます。
保育士として働き始めてから10年超。今では「保育士は私の天職」と胸を張って言えますが、ここにたどり着くまで、決して平坦な道ではありませんでした。 {栄光の架橋の歌詞のようになりました(笑)狙ってません}
新卒の頃は、毎日がつらくて仕方ありませんでした。先輩に叱られてばかりで、仕事も覚えられず、自信はゼロ。なのにプライドだけは高くて、素直に聞けない……。今振り返ると、扱いづらい新人だったと思います。
それでも続けてこられたのは、環境を変える決断をしたことと、自分自身の姿勢を見直せたからだと思います。3年目、限界を感じていた時に、親から「職場を変えてみたら?」と言われたのをきっかけに、幼稚園から保育園へ転職しました。
新しい職場では職員の年齢層が広く、落ち着いた雰囲気の中で働けるようになり、少しずつ心が軽くなりました。同時に、先輩のアドバイスに素直に耳を傾けること、まわりへの感謝を忘れないこと、自分中心の考え方を見直すことで、仕事の楽しさにも気づけるようになったのです。
「保育士=つらい」と感じていた頃がウソのように、今では笑顔で子どもと向き合える毎日です。

はっきり言って、保育士の給料は決して高くありません。”命を預かる仕事”と考えると安いと思います。
私が幼稚園教諭として働いていた頃は、手取りで16万円ほど。保育園では12〜13万円程度でした。現在は子育てと両立するためにパート勤務で、時給は約1,300円。地方では主任クラスでも「手取り30万円に届かない」と聞いて、正直驚いたこともあります。
とはいえ、ここ10〜15年で徐々に改善されてきたのも事実です。
「処遇改善手当」の導入や、休憩・有給取得の環境整備、パワハラ対策、育休取得のしやすさなど、働きやすさは以前より格段に向上しています。若手でも手取り16万円を超えるケースもあり(地方の話です)、制度的なサポートが増えた印象です。
若手が朝早くから夜遅くまで時間の区切りなく働くというような環境もなくなってきていて、歳を重ねても続けられる仕事になってきた印象です。
また、「キャリアアップ研修」という制度も導入され、入職後に自身で頑張って勉強すれば手当がつくなど、努力が金銭で報われる時代が来たと感じています。

かつては「保母さん」と呼ばれていたこともあるように、保育の現場は今でも女性が多く働く職場です。
私が新人だった頃は、少しピリピリした空気や、言葉にはしづらい独特のプレッシャーを感じることもありました。でも最近では、そうした雰囲気もだいぶ和らいできたように思います。
もちろん園によって雰囲気に違いはありますが、自分のふるまいを見直したり、職場の一員として心地よい空気づくりを意識することで、自然と人間関係もよい方向に変わっていくと感じています。
こうした“気働き”は、保育の現場に限らず、どんな職場でも求められる大切な姿勢なのかもしれません。
ちなみに、男性保育士はまだまだ少ないのが現状です。私自身、10年以上この仕事を続けていますが、一緒に働いたことのある男性保育士はたったの1人だけです。これから少しずつ増えていくといいなと感じています。
保育の現場では、「これが正解!」と言い切れる場面が少なく、日々さまざまな意見が飛び交います。
人間関係のトラブルとは別に、子どもへの関わり方や活動の進め方など、「保育観の違い」から意見がぶつかることもあります。
でもこれは、子どもたちにとってどうするのが一番いいのか――そんな真剣な思いがあるからこそ起きるものです。私自身も、日々の話し合いや先輩・同僚とのやりとりの中で、考え方の違いに戸惑ったり、悩んだりすることがあります。でも、そういった“せめぎあい”の中にこそ、学びや成長のきっかけがあると感じています。
建設的な議論を重ねながら、保育の質をみんなで高めていく。そんな前向きなやりとりも、保育士という仕事のやりがいのひとつです。

保育士の仕事は様々なスキルが求められます。ここでは、現場経験から感じた「向いている人」の特徴をいくつかご紹介します。
保育士の仕事は、まさに同時進行の連続です。子どもへの対応、保護者対応、書類作成、行事準備など、いろんな業務を並行して進める必要があります。たとえば、外遊び中にAちゃんがトイレへ駆け込み、Bくんが虫を見つけて大興奮、Cちゃんは遊具にシャベルを持ったまま登っている――そんな状況でも、冷静に優先順位をつけ、必要な支援を的確に判断するスキルが求められます。
最初からうまくできる人はいませんが、「こういう仕事なんだ」と知っておくだけでも心構えが変わるはずです。
仕事で起きたことを引きずりすぎてしまうと、心が疲弊してしまいます。園を出たら気持ちを切り替えること、オンオフをしっかりつけることが長く続ける秘訣です。
私自身も若手の頃は、仕事のストレスからお酒に頼ったり、週末に遊びの予定を詰め込みすぎたりして自己嫌悪に陥った経験があります。家に仕事を(物理的にも気持ち的にも)持ち込みすぎて休息がうまく取れない時もありました。
入職後、早い段階から”自分なりのストレス発散の仕方”を見つけ、切り替えられるようになるのと、同僚とプライベートでは一線を引くことを覚えられると、余裕を持って働けるようになります。
子どもはいつでも天使のようにかわいい存在…というわけではありません。時には反抗的だったり、いたずらを繰り返す子もいます。でも、そんな時にイライラ感情的にならず、落ち着いて向き合える人は保育に向いています。
また、安全に配慮した環境づくりやスケジュール管理など、冷静な判断力も欠かせません。「子どもにたくさん経験させてあげたい」という情熱と「今日は体調不良の子が多い」「この活動は年齢的に、まだこの子たちには厳しい」等の冷静な判断をする力、両方のバランス感覚が子どもを守ることにつながるため、大切です。
保護者や同僚、子どもたちと日々関わる保育士にとって、コミュニケーション能力は何よりも重要です。特に今は複数担任が主流で、連携や情報共有をする上で求められる能力です。
「伝える」「聞く」「受け取る」この3つがうまくできると、働きやすさにもつながります。また、人のアドバイスを聞ける”素直さ”も大切にしたいですね。
子どもや保護者、同僚の気持ちに気づき、先回りして行動できる「気働き」は、現場では非常に重宝される能力です。
「言われなくても動ける」「相手の立場に立って考えられる」そんな人は信頼されやすく、自然と人間関係も良好になります。
普段から「相手の側に立って考える」ということを意識すると、自然と身につくのではないかと思います。
「自分の仕事じゃないから」「保護者が悪いから」「子どもが言うことを聞かないから」と他責にせず、どうすればより良くなるかを考えられる人は、保育士として大きく成長していけます。トラブルやミスがあった時も「どうしたら起きなかったか?」を考えられると、繰り返さずに済みます。
自分の仕事として責任を持って取り組む姿勢が、周囲に安心感を与え、信頼される保育士になるための道しるべになると思います。

どんな人、仕事にも向き・不向きはあります。
保育士の仕事はやりがいがある一方で、日々多くの責任を背負いながら、子ども・保護者・職員と関わる職種です。現場で働く中で、「ちょっと厳しいかも…」と感じる傾向をいくつかご紹介します。
改善方法もあわせて紹介するので、「当てはまるなあ」と思うことがあった方は参考にしてください。
保育の現場はマニュアル通りにいかないことの連続です。
たとえば、0歳児クラスでは3対1の職員配置が基本ですが、実際にはその枠内でも臨機応変な対応が求められます。
オムツ替え、午睡のチェック、泣いている子の対応など…「今、この瞬間は一時的にどう動くべきか?」という判断が重要になります。
「私が担任しているのはこの3人の子たちだけだから」「マニュアルとは違うから」と柔軟に考えられない人は、現場での立ち回りに苦労するかもしれません。
こういうタイプは教科書から対応を考えることを一度控え、「目の前の子を見る」「保育室全体を見て今どこに手を出したらスムーズにまわるか?」という視点から考えるのがおすすめです。
経験の浅い頃は、誰しも間違えたり、うまくいかないことも多いもの。また経験を重ねても、誰もが間違えることはありますし、保育の学びに終わりはないです。
そんなときに、先輩のアドバイスや保護者からの言葉に耳を傾けられない人は、なかなか成長しづらいです。
「自分は悪くない」と他人のせいにしてしまう癖があると、周囲との信頼関係も築きにくくなります。
「注意されたくない」「否定されたくない」という思いから一度離れ、「自分の未来のために聞き入れ、また同じことを言われないよう次は気をつける」というスタンスを取るといいかもしれません。
保育の基本は、子どもの目線に立ち、目と心を合わせて関わること。
話を聞くとき、関心を引くとき、叱るとき――どんな場面でも、子どもに寄り添う姿勢が求められます。
それができないと、子どもとの信頼関係が築きづらくなり、関わりも一方通行になってしまいます。
「自分の保育は良い」と過信せず、「より良くするには?」という視点をいつも持ち続けることが大切だと思います。
「誰かがやってくれる」「自分の担当じゃないから関係ない」「〇〇先生もやってないから」――そういうスタンスでは、保育の現場では立ち回りが難しくなります。
自分から主体的に動く、自分ごととして園全体のことを考える姿勢がある人の方が、自然とチームにも溶け込みやすくなります。
もちろん、最初から完璧である必要はありません。
でも「こういう部分、自分にあるかも」と思ったのなら、少しずつ改善していけばいいのです。
大切なのは、保育の現場に真剣に向き合おうとする姿勢です。

保育士として働く園を選ぶときは、求人情報だけで判断せず、見学や実習を通じて実際の雰囲気を知ることがとても大切です。
求人情報などから「ここ、いいな」と感じる園があれば、ぜひ事前に見学を申し込みましょう。
職場の空気感や先生たちの表情、子どもとの関わり方など、現場でしか分からないことがたくさんあります。
また、実習やバイトに入れる機会があれば、実際に働く感覚を体験できるので、よりリアルに判断できます。
見学時に質問したい内容は2種類に分かれます。
- 表向きの情報(勤務時間や職員配置)は、管理職などの“説明してくれる立場”の先生に。
- 本音の情報(有給のとりやすさ、雰囲気、いわゆる“お局”の存在など)は、若手の先生などに自然に聞いてみるのがおすすめです。
こういう情報を教えてもらえる人になれるコミュニケーション力や観察力は、実際に働いてからも大切なスキルになってきます。
以下のような点も、見学時にさりげなくチェックしておくと安心です。
- 職員の表情や子どもとの関わりに無理がないか
- トイレに行ける環境かどうか(保育士は膀胱炎になりやすい職業とも言われています)
- 子どもから離れられる休憩時間が確保されているか
- 園の保育理念と現場が一致しているか
- 子どもの様子を丁寧に見ているか(流れ作業になっていないか)
- 職員同士の雰囲気はいいか?(上の人が言ったことを、若手がただ考えずに実行するだけの職場はイマイチです)
見学や実習で「なんとなく違和感がある」と感じたら、その直感も大切にしてください。
逆に「ここでなら頑張れそう!」と思える園に出会えたら、それがきっとあなたに合った職場です。

保育士という仕事は、体力的にも精神的にも決してラクな職業ではありません。
ですがその分、子どもの成長に寄り添い、人生の大切な時期を支えられる喜びがたくさんあります。
職場環境や人間関係に悩むこともありますが、自分のふるまいや環境の選び方で、働きやすさは変えていけます。
子どもとの日々の関わりの中で、自分自身も学び、成長できる——
保育士は、そんな**“自分の人生も豊かにしてくれる仕事”**です。
この記事が、これから保育士を目指す人や、すでに働いている方、潜在保育士さん等の、
少しでも参考になれば嬉しいです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
この記事の感想はもちろん、
・子どものことで悩んでいる
・我が子の担任の先生には聞きづらいけど、匿名なら聞きたいこと
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