睡眠・食事・水回り…保育事故の中で、この場所にまつわるものが一番多く、またオオゴトになりやすいからです。
たとえば──
- りんごを食べた子が喉に詰まらせて意識不明になったケース
- うつぶせ寝をしていた赤ちゃんがSIDS(乳幼児突然死症候群)で亡くなったケース
- プールで遊んでいた子が一瞬視界から外れた際に、おぼれたケース
どれも特別なシチュエーションではなく、日常の保育の中で実際に起きた事故です。
だからこそ、「睡眠」「食事」「水回り」この3つの時間は保育士がもっとも神経を使う場面です。

未満児の睡眠時間はとにかくSIDS(乳幼児突然死症候群)の危険があります。
保育園ではこんなことに気をつけています。
- うつぶせ寝になってしまった子は窒息の危険があるので、あおむけor横向き寝に直す
- 顔に布団やタオルがかからないよう気をつける
- 部屋の温度・湿度に気をつける(暑すぎ・寒すぎは危険因子)
- 定期的に呼吸の確認をする
- 特に0歳〜1歳や、入園したての子はリスクが高いので要注意
今はどこの園でもブレスチェックが当たり前に行われているので、保育園での睡眠中の事故は減ってきたように思いますが、その裏にこういった配慮があります。

最近の保育園では、子どもの月齢や家庭での生活リズムに合わせ、給食を一斉に食べさせるのではなく、少人数で丁寧に見守ることが増えています。
特に未満児の時期は「食べる姿勢」「食べ方」を繰り返し伝えることで、その後の食事習慣が大きく変わります。小さいうちの基盤作りが、大きくなったときの安心で楽しい食事につながります。
保育園では、日々こんな点に気をつけています。
- 丸のみせず、よく噛んでいるか?
- 一度に口へ運ぶ量が適当か?
- 口に残っているのに、次の食べ物を入れてないか?
- 椅子に座って食べているか(立ち食いをしない)
- 姿勢が崩れていないか?
- ダラダラ食べは良くないので、ある程度は時間を区切るようにする
これらは家庭でも取り入れやすいポイントです。ぜひ日常の食事の中で試してみてください。
さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にどうぞ。

水は子どもにとって楽しく、魅力的な存在です。しかし「水回り」は事故の起きやすい場所でもあります。ほんの数センチの水でも顔をつければ命に関わりますし、幼い子どもは頭が重いため水中に一度倒れると自力で起き上がれません。
保育園で特に気をつけるべき水回りの場面を挙げてみます。
- トイレ→必ず保育士が付き添い、転倒やいたずらを防ぐ。
- プール・水遊び→入退水の際には必ず人数確認。活動中も入水しない職員をつけたり子どもたちの動きに目を配る。
- 手洗い場→蛇口でふざける、排水口や洗いおけに溜まった水などにも注意。園では排水口をこまめに掃除します。(1日2回くらい)
- 洗濯機→子どもの好奇心で中に入ってしまう事故が報告されています。柵やドアを使い、物理的に入れないようにする工夫が必要。
水回りは生活に必要不可欠ですが、子どもにとっては遊び心を刺激される場所です。そのため、物理的に子どもが近づけない工夫と、大人自身の危険ポイントの認知・配慮が大切です。

前の章でも書いてきたように、保育園では日々の保育の中にさまざまな「安全の工夫」があります。これは決して特別なことではなく、家庭でも応用できるヒントがたくさんあります。
家庭での見守りは「つきっきりで目を離さない」ことが中心になりがちですが、保育園では複数の子どもを同時に見ているため、危険が起こりやすい場面を先に予測して目を配ることを大切にしています。この考え方を取り入れると、家庭でも「安心」と「子どもの自立」を両立させやすくなります。
家庭で応用できるポイントは次の通りです。
- 睡眠時:布団やタオルで顔が覆われないかを確認。寝る姿勢はあお向けor横向きがおすすめ。モニターなども活用しよう!
- 食事:噛まずに飲み込んでいないか?姿勢の良さは?食べ物をかじり取り、適切なサイズにしているか?立ち歩き食べは誤嚥等のリスクがあるので都度声をかける
- 水回り:浴槽・洗面所・洗濯機、トイレなど、水がある場所には必ず目を配る。トイレには付き添う、浴槽などは一人で入れないよう、鍵を掛けるなど工夫する(数センチの水でも子どもはおぼれることを頭に入れとく)
保育園での「見守り方」の工夫は、おうちでもすぐに取り入れられるものばかりです。子どもが「自分でできること」を伸ばしながら、危険だけは先回りして防ぐ姿勢が、家庭での安全づくりにもつながります。

睡眠・食事・水回り――どれも日常の中にあるからこそ、ちょっとした油断が大きな事故につながります。子どもを守るために、今日からできることをぜひ取り入れてみてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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