「モンペアと思われたくない…」そんな保護者のための園への伝え方のコツ!

「これって伝えていいの?」に答えます──子どもを守るための話し方

子どもの園でのトラブルや、方針、担任の先生のやり方に「ちょっと気になるな」と思うこと、誰しもあるのではないでしょうか?

でも、いざ園に伝えるとなると、
「もしかしてモンペアだと思われちゃうかも…」と不安になってしまうことも。

実は、保育士側からすると「どんな声でも、伝えてくれてありがとう」という気持ちです。
理由は、そのまま知らないところでモヤモヤされるより、伝えてもらえたほうが誤解が解けたり、園の意図をきちんとお伝えできたりして、かえって信頼関係を深めるきっかけになるからです。


ただし“どう伝えるか”によって、受け止められ方が変わり、解決のスムーズさも変わってきます。

この記事では、私が実際に経験した事例を元に、「しっかり伝えつつ、信頼も強固にできる話し方」をお伝えします!

事実がはっきりしているケースは、素直に伝えよう

保育園に伝えたい内容が「事実として確認できていること」であれば、比較的スムーズに対応してもらえるはずです。

過去に実際に起こった、若かりし頃の私の失敗例です。
製作中、ハサミを使っていた子どもが、自分の髪の毛を切ってしまったことがありました。気づかず降園させてしまい、あとで保護者の方から「〇〇(お子さん)の髪が一部だけ短くなっていますが、何かご存知ですか?」と連絡があり、こちらもようやく気づいたというケースです。

このような場合は、事実をそのまま伝え、今後どう対応してもらいたいのか(希望がなければ事実だけでも)はっきり話すことで、園側も真摯に受け止め、前向きに動いてくれることが多いです。

ちなみにこの髪切り事件の時はきちんと謝罪をし ・ハサミを使う時はきちんと目を行き届かせること ・個々のお道具箱にしまっていたハサミを一旦保育士の方で保管し、制作のたびに配る方式に変えるという対応をお伝えしました。

よくあるパターンはこちら⚠️子どもの話だけで不安なときは、「確認+要望」をセットに

一番悩むのが、子どもの話だけで状況がよく見えないとき。
たとえば、「お友だちに意地悪された」「先生が〇〇って言った」など、子どもが何か不安そうなことを言っているけど、本当なのかどうか分からない…というケース。

このようなときは、次のようなスタンスで園に伝えてみましょう。

💬「うちの子がこう話していたのですが、事実でしょうか?なにか知っていますか?」
💬「もし事実だった場合、家庭での対応の仕方を教えていただきたいです。また、園として何か対応をお願いできたら嬉しいです」

このように、「確認」と「お願いしたいこと(要望)」をセットにするのがポイントです。

例❌:
「うちの子(女児)が“いつも△△くんとしか遊んでない”と言ってますが、本当ですか?」
→これだと質問だけで終わってしまい、園としても保護者の要望がわからず答えにくいことも…。(△△くんと遊ぶのが嫌なのか?△△くんとトラブル?お友だちが一人しかいなくて不安なのかな?と答えに悩む)

例⭕️:
先ほどの文にプラスして「もしそうであれば、小学校に向けて女の子同士の関わりも経験させたいと思っているので、女子の輪にも入れるよう、少し意識して声かけしていただけませんか?」

このように、確認したいこと+配慮してほしい内容まで伝えると、保育士側も保護者の希望が分かり、動きやすくなります。

また、こちらも実例ですが――
「最近うちの子(1歳)、キッズスペースなどに行ってもずっと一人で遊んでいて心配なんです。保育園ではどうですか?」
といった聞き方もとても良い伝え方です。確認➕️要望や相談がくっついている質問だからです。

このとき、私は「一人遊びは発達の大事なステップで、今はその時期かもしれません」とお伝えしました。
“友だちと遊べてない”=心配、ではなく、「今は大切な一人で探求する発達段階の時期」という答えを知るだけで、親御さんも安心できますし、親御さんだけで悩んでいた時より、こちらもお力になれて嬉しいのです。

※ちなみに、かみつき問題の場合はこちらの記事がおすすめ⬇️

保育園でのかみつき、親はどうするのが正解?対処法を保育士が解説

保育園といい関係を築く「角が立たない要望」の伝え方

園の運営方針や行事日程など、個人のことより園全体に関わることへの要望を伝えることも、時にはあるかもしれません。そんな時にも気をつけたいポイントをあげます。
というのも、こうした内容は職員会で時間をかけて子どもの様子や、負担、安全な職員配置等を話し合いって決定されているため、「不満だけ」を伝えると、どうしても“クレーム”のように受け取られてしまうこともあります。

「こうしたらもっと良くなるのでは?」という具体的な案や背景が添えられていると、園側としても受け止めやすく、改善の参考にしやすくなります。

たとえば…

✅「お誕生日会に年長組の親だけが参加できること、我が家は一人目なので知りませんでした。年中組の3学期の参観日で知らせてもらえたら、仕事を休む調整ができたので来年からはそのようにしてもらえませんか?」

✅「毎年、担任の先生以外のお顔と名前がわからず、話しかけられても「あれ?なんていう先生だっけ?」と焦ってしまいます。個人情報への配慮もあると思いますが、写真と名前を載せたプリントを配るとか、園内に掲示していただけたら助かります」

このように伝えていただけると、園としても「ありがたいご意見」として受け止めやすく、前向きな対応につながることが多いです。

角が立つだけじゃない…園に“言わないほうがいいこと”とは?

園に要望を伝えるとき、内容や言い方によっては“クレーム”や“わがまま”と受け取られてしまうこともあります。
ここでは、園に言わないほうがいいことを、具体的なケースを用いてご紹介します。

❌ 他の家庭のことを批判するような言い方

「〇〇ちゃんのおうち、車にチャイルドシートがついてないみたいですよ。事故に遭ったらどうするの?と気になっちゃて💦先生から〇〇ちゃんママに言って下さい」

➡️これは登園前、登園後の園の対応範囲を超えた言わば、“家庭内のこと”です。保育士が踏み入っていく領域のことではないので困ってしまいます。「どうしても」心配ならご自身で〇〇ちゃんママに伝えるのも手ですが、トラブルの火種となる危険もあり、判断は慎重にしてほしいと思います。

❌ 個人的な都合で園全体のルールを変えようとする要望

「祖父母参観の日、遠方から祖母と一緒に叔母と従兄弟が来ます。せっかくなので、叔母&従兄弟も一緒に参加させてください」

➡️このようなお願いは、“祖父母参観”という本来の趣旨から外れてしまいます。
一度許可すると、他のご家庭からも同様の要望が出る可能性があり、園としても対応が難しくなってしまいます。

また、こうした”わがまま”になりそうな要望は、園のルールや他の家庭とのバランスを乱すことにもつながり、
結果的に保護者としての信頼を失ってしまう場合もあります。

何より、お子さんが園で気まずい思いをすることのないように
親としてもルールを大切にする姿勢を持ちたいですね。

まとめ:伝え方ひとつで、園との関係はもっと良くなる!

園への要望や相談は、「伝え方」次第で、信頼を深めるきっかけにもなります。

大切なのは⬇️

  • 感情をそのままぶつけず、事実と要望を整理して伝えること
  • 確認したいこと+どうしてほしいかをセットで伝えること
  • 特に園全体に関わることは、一呼吸おいて”わがまま”になってないか確認した上で、代案や理由を添えて丁寧に話すこと

こうした小さな工夫が、子どもにとってより良い環境づくりにつながります。

そして何より、園と家庭は「子どもを一緒に育てるパートナー」。

だからこそ、遠慮しすぎず、でもひと呼吸おいて考えられる“伝え方の視点”を持って、
前向きなコミュニケーションを重ねていけたら素敵ですね。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

この記事の感想はもちろん、

・子どものことで悩んでいる

・我が子の担任の先生には聞きづらいけど、匿名なら聞きたいこと

などありましたら、コメントやメッセージを遠慮なくお寄せ下さい♪

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