「ブランクがあっても大丈夫!未経験・潜在保育士がもう一度保育園で働くための最初の一歩」

  • 子育てがひと段落して、保育の仕事に戻りたいと思っている。
  • 資格はあるけれど、保育士として働いたことがなく、実習のイメージのままで不安。
  • 今の保育現場ってどんな雰囲気なのかな?

そんな思いを抱えるあなたへ──
10年以上現場で保育士を続けてきた私から、今の保育園のリアルや、安心して働き出すためのヒントをお伝えします。

今の保育園の様子

保育士として戻ってくるなら、まず気になるのは

潜在保育士
潜在保育士

「今の保育園ってどんな雰囲気なの?」

というところではないでしょうか?
かつて実習で見た保育園と、現在の現場には、想像以上に違いがあります。

この先の章で、詳しく掘り下げていきます。

実習で止まってない?今の現場は──

実習のときや、若いときに働いていた保育園──その経験や苦手意識から、復職をためらう人も少なくないと思います。
あの時の「ベテランの先生」はすごかった。でも、自分にはあんな大人数をまとめられない…怖い先生もいるかもしれない…こう思う人も多いかもしれません。

けれど、今の保育現場は少しずつ変化しています。

行事は縮小傾向にあり、壁面も昔のよくあるような季節ごとのものは作らず、子供の作品を飾るなど、””保育士の負担を減らす””方針へ転換している園が増えました。
保護者とのやりとりも、アプリを通じて行う園が多くなり、「手書きの連絡帳」から卒業している場合もあります。

保育も先生が全てを指導するのではなく、子どもと一緒に考え、一緒に考え作っていく””一斉指導ではない保育””の園も増えてきました。子どもをむやみに怒るのではなく、”良いところを伸ばす保育”が主流です。
また先生も、ひと昔前の子どもを怒鳴りつけ従わせる先生──そんなタイプの先生も減ってきたり、保護者からのクレームにもつながるので変わったりしてきています。

「“保育から離れていた人”が、いま現場で活躍しています」

潜在保育士
潜在保育士

「今さら戻れるかな?」

「今から、初めて保育士として働くなんて厳しい?」

そう思っている方にこそ伝えたいのが、
実は、あなたと同じように保育の現場に戻る人が増えているということ。資格を持っていながら、結婚・出産・介護などで離れていたり、一度も保育士として働いたことのない「潜在保育士」の数は全国に約100万人、資格を持つ人の実に6割以上とも言われています。
そして今、多くの園が中途や初めての人を積極的に雇用しています。

実際に、30代や40代で現場復帰し、今では中心的な存在になっている方もたくさんいます。

「経験が少ないから不安」と感じる必要はありません。
今、保育現場は変わろうとする中で、経験年数よりも「学ぶ姿勢」や「子どもへの温かさ」を重視するところが増えてきています。
あなたもぜひそのひとりとして、第一歩をいっしょに踏み出しませんか?

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指導じゃなくて支え合い──変わりつつある保育現場の空気

かつての保育園では、上下関係がはっきりしていて、先輩のやり方に従うのが当たり前…ある意味年功序列という雰囲気が強い時代もありました。ですが最近は、「みんなで子どもを育てる」というチーム意識が根づきつつあり、年齢や立場に関係なく、お互いに学び合う空気がある職場が増えています。

もちろん園によって文化はさまざまですが、未経験やブランクがあっても、「一緒に考えていこう」という姿勢で迎えてくれたり、子育て経験がある人は””パパ・ママ目線””からの意見を求められたりすることも増えています。


最初から完璧を目指すのではなく、「わからないことは素直に聞ける」「失敗してもフォローしあえる」環境なら、無理なく馴染んでいけるはずです。

保育士の仕事、どう変わった?業務効率と衛生面の“いま”

保育園の業務は昔に比べてかなり効率化が進んできています。
たとえば、連絡帳や園だよりは手書きではなくパソコンやアプリで管理する園も増えていて、保護者とのやりとりもスマートに。

掃除や衛生管理も、昔のように雑巾で床を這うような作業は減り、除菌スプレーや使い捨ての清掃グッズ、電化製品の導入なども進んでいます。

もちろん、園によって状況はまちまち。
ICT導入が進んでいない園では、書類や記録業務が負担になることも。
でも全体としては、「使えるところはパソコンを」「無理に人力でまわさない」という意識が広がっていて、働く人への配慮が見える園も増えています。

長らく現場を離れていた保育士からは、

「今はすごいね〜」

「時代反映してる〜」

なんて声もよく聞かれます。

知らなきゃ損!保育士の“今どき待遇”3つのポイント

お給料は上がってる?保育士の収入事情

保育士の収入は「低い」と長年言われてきましたが、最近は徐々に改善の動きが見られています。

保育士等処遇改善加算や保育士不足による人材確保のために、正規・パート共に給与水準も少しずつ上がってきています。

実際に、私の現場でも今年から入ってくれたパートさんがこんな話をしてくれました。

「資格は昔取ったままで、保育士としては働いたことがなかったけど、子育ても落ち着いたし、保育にチャレンジしてみたいと思ってパートで入りました。でも、正直“保育士の給料は安い”ってイメージがあったから、最初は扶養内で働こうと軽く思ってたんです。
そしたら、思ったより時給も高くて、ちゃんと働いたら扶養超えちゃって(笑)。うれしい誤算でした」

こうした声からも分かるように、かつてのイメージより増額していると思います。

また、経験年数や職責による差も明確化されつつあり、「長く働くことで収入が安定する」「頑張りが反映されやすい」という空気が少しづつ浸透してきています。
一方で、法人によって差があるのも事実。””改革は道半ば””という側面も知りつつ、求人票でしっかり条件の確認はしてほしいと思います。

キャリアアップ研修で給料が変わる?制度を活かす働き方

私立園であれば、キャリアアップ研修という制度を活用することで、処遇改善手当の加算を受けられることがあります。
これは、「研修を受けてスキルアップすれば、”知識がある先生”として評価され、具体的に給与面にも反映される」という仕組みで、数年前から国が力を入れているものです。

研修を修了し、役職がつくことで(主任だけでなく、副主任、クラスリーダーなども対象)正規保育士だと月1万円以上手当が増えることもあります。(パートの場合は数千円程度が限度)
園ごとキャリアアップの取得に力を入れていたり、オンラインで場所を問わず学んだりもできるので、復帰後にキャリア形成を目指す人にはチャンスとなる制度です。

有給・お休みの現実と変化──「取れない」は過去の話?

潜在保育士
潜在保育士

「保育士は休みが取りにくいイメージかも…」

「休むとお菓子を持参しなきゃならない?」

「休みがもらい辛く、取れても陰口を叩かれたことも…」

かつてはこんな園が多く、有給が形骸化していたり、「土曜の出勤でない日を勝手に有給に当てられていた!」なんて話もよく聞きました。「インフルエンザでも出勤」や「点滴台引きずってでも来い」こんなことも当たり前に言われた時代がありました。

しかし、近年では職員の人数にゆとりを持たせる運営方針の園が増えていて、早番・遅番のシフト管理もより柔軟になっています。
有給取得の推進や、子どもの行事や家庭の都合への配慮が進んでいる園も多く、「急に休んでも責められない」「ある程度の欠員はフォローできる人員数」「事前の有給申請は基本的に認められやすい」といった環境づくりが進んでいます。

もちろんすべての園がそうとは限りませんが、「お休みの取りやすさ」「突発時のフォロー体制」は確実に進化しています。

どう始める?保育の現場への“入り方”と続けるための考え方

まずは短時間・パート保育士から。「無理せず続ける」スタート方法

潜在保育士
潜在保育士

「いきなりフルタイム・正職員は不安…」

「重い責任をいきなり背負うのは怖い…」

そんな不安のある場合、短時間勤務やパート勤務から始める先生も多くいます。

最初は”週2〜3日”、”午前中だけ”、”夕方のみ”など、要相談にはなりますが、自分の生活に合わせたシフトで働ける園も多くなっています。
中には、「慣れてきたら正職員へ」といったステップアップができる園もあり、復帰しやすい道が整いつつあります。

どこの園もやはり正社員が足りないので、パートから正社員になって欲しい人へは直接声がかかることも珍しくありません。「いつか正社員になるのもありかな…」こう考える人は、正社員の働き方や、こなしている仕事内容を理解しながら働くと、先々の””正社員への道””もイメージしやすくなると思います。

現場での人間関係に悩むときは、この記事も参考にしてください。

「ゼロからじゃない」──あなたの子育て経験・過去の現場経験が活きる

ブランクがあると「忘れてるかも…」「通用しないかも」と不安になるかもしれません。
でも、子育てをしてきたこと、若い頃に現場で働いた経験は、決してムダではありません。

むしろ、子どもとの接し方、気持ちの読み取り方など、現場で必要とされるスキルは自然と身についているはず。
謙虚さは大切にしつつ、”全くの新人保育士1年生ではない”と心の中で思うことが、自信につながる一歩です。

園選びは“条件”だけじゃない。見学・質問のすすめ

「時短OK」「シフト柔軟」などの条件も大切ですが、実際には人間関係や雰囲気が働きやすさに直結します。

見学や面接では、以下のポイントに注目をしてみてください。

  • 職員同士の雰囲気(ミスを責めるのではなくフォローする空気感、明るさ、とはいえ馴れ合いはNG)
  • 見学者に対し、挨拶の声かけがあるか
  • 先生たちの表情に笑顔はあるか、特に若手の先生の表情に着目してみて
  • 園長・主任の部下への接し方(高圧的でないか?しかし伝えるべきことを言えてるか?)
  • 子どもへの声かけの仕方(上から教えるのではなく、一緒に考える雰囲気が理想)
  • 保育観が自分と合いそうか


見学で違和感があった場合、実際に働き出すとあとで悩みやストレスになってしまうこともあります。違和感を解決できるように、気になったことは、質問してみてください。その答えの内容や、答え方でも園の雰囲気が見えてくるかもしれません。質問のコツは次の章で触れています。

印象を左右するのは“質問力”|中途採用で信頼される人になるには

園見学に行き、質問をするのは良いことです。ただ、やみくもに質問をすれば良いというものではありません。質問の内容や伝え方によっては、相手に不快感を与えたり、「この人と一緒に働くのは不安かも…」と思わせてしまうこともあります。

ここでは、質問のコツを伝えたいと思います

見学や面接は、“園の様子を見る場”であると同時に、“あなた自身も見られている場”です。中途で保育の現場に入る方は、新卒のように「何も知らない前提」ではなく、これまでの社会経験や子育て経験をふまえて、ある程度の“常識的な判断力”や“協調性”があることを期待されている場合がほとんどです。

実際に私の園でも、見学や面接を経て採用に至らなかった中途の方が何人もいます。もちろんその理由は、園や採用担当者ごとに異なりますが、「園の方針や体制を否定するような質問」や、「あまりに非常識な内容を場の空気を読まずに口にしてしまう」といったケースでは、採用が見送られたり、入職後も“ちょっと様子見”といった扱いをされてしまうこともあります。

それは応募者にとっても良いスタートではありませんし、せっかくの再スタートがつまずいてしまう原因にもなりかねません。

だからこそ、「この園いいなあ」と思ったら、発言は慎重に、きちんと考えた上で言葉にすることがとても大切です。具体的には

  • ⭕️園のいいなあと思ったところははっきり伝える(ただし忖度やお世辞は必要ない)
  • ⭕️園のおもちゃ、保育体制(何人を何人で見るか?食事の体制は個別か一斉か)についての疑問
  • ⭕️パートの人はどんな仕事をする?正規はどんな仕事をするか?のある程度の線引きの疑問点
  • ❌️体制への批判 例)「え、こんなに見るんですか?」「パートがそこまでするんですか?」
  • ❌️園舎や設備への不満
  • ❌️園の保育内容や目標に意見を言う
  • ❌️待遇面について(ある程度求人票で確認し、わからないことだけ質問しよう)

聞き方ひとつで、園の雰囲気もよりよく見えてくるし、同時にあなたの人柄や価値観も伝わります。自分とは相容れないと思う点があり、質問でも解決しなければ就職をすることはないので(園はたくさんあります)、あえて批判になるようなことを口にするのはやめておきましょう。

保護者の園選びの記事。中途採用の園見学にも通ずるところがあるので、参考にしてください。

保育士として再出発!中途でうまくいく人・つまずく人の違いとは?

こういう中途の人が来てくれて本当に助かった!

保育士歴10年以上の中で、実際に中途採用で「この人が来てくれて良かった!」と感じた人たちが何人もいます。
実は私自身も、子育てで一度現場を離れたあと、再び中途として保育の仕事に戻ってきた経験があります。
その経験からも感じるのは、「現場で求められるのは完璧なスキルより、周囲と一緒に歩もうとする姿勢」だということ。
特に印象的だったのは、以下のような方々です。

未経験でも“素直さ”と“学ぶ姿勢”がある人

資格は持っていたけれど保育の現場は初めて、という方もいました。
その方は「わからないことは聞く」「自分はビギナーという意識を持つ」という姿勢があり、若い保育士たちからも好かれていました。
わからないことは恥ずかしいことではありません。むしろ聞かずに進めミスをすると、子どもを危険にさらしたり、保護者と信頼関係が壊れたりしかねないため、””聞ける素直さ””は素晴らしい能力です。

周囲との「調和」を大切にできる人

「前の園では…」ではなく、「この園ではどうしてますか?」「こういう時、どうしたらいいですか?」と柔らかく確認し対話しながら保育を進められる人。

今の保育園では、以上児を含め一人担任のクラスはほとんどなく、チームで保育を進めることが主流です。
そのため特に中途で入る場合、協調性と謙虚さを兼ね備えた人は溶け込みやすく、重宝されています。
また謙虚な姿勢は、周囲の空気を和らげ、周りの意識も変えてくれます。

ぜひ意識してほしいポイントです。

子育て経験を活かす

たとえば30代後半でお子さんが小学生になり、「もう一度働きたい」とパートで入ってきた方。
園で泣いている子への声かけや、子ども同士のトラブル仲裁に、優しさやゆとりがあります。若いときはイライラしてしまいそうな場面でも、上手に付き合ったり、かわしたり…良い意味で落ち着きと温かみがあり、絶妙なさじ加減で接する姿は”安心感”を感じます。


子どもの気持ちを理解し、関わり方にメリハリがあるので、自然と信頼されていきました。

謝れる・感謝できる=ともに働きたい人

「すみません」「ありがとう」「ごめんなさい」当たり前のようですが、なかなか言えない言葉です。これをサラッと言える人は、チーム保育の緩衝材になってくれるありがたい存在です。

人間ですから、どんなに気をつけていてもミスはあります。そのときにどう対応するか?が問われています。
「ごめんなさい」と素直に謝り、「教えてくれてありがとう」と感謝を伝えることができる人は、職員間や子どもからも信頼され、関係がスムーズに築けます。

また、同じ失敗を繰り返さないように努力する姿勢が見えると、
「この人なら一緒に頑張っていけそう」と思えます。
完璧さよりも、“素直さと改善しようとする気持ち”が、一番の強みになります。

ちょっと残念だった…「NG例」に共通すること

一方で、うまく馴染めなかった人にも一定の共通点がありました。
これから入職する方にとって、最初からつまずかないよう、参考になる部分もあると思うのでご紹介します。

園のルールに合わせる姿勢がない・確認しない

「前の園はこうしてたから」「私はそうは思わない」と、現場の方針や築いてきたやり方を受け入れようとしない方。
園によってやり方は違うので、自分の経験だけで進めてしまうとトラブルの原因になります。

わからないのに聞けない人は、現場でつまずきやすい

保育の現場では、子どもを守るためにも「わからないことを聞く姿勢」がとても大切です。
しかし中には、聞かずに自己流で進めてしまう人がいます。特に、注意されてもまた同じように独断で進める場合、「指示を聞けない人」という印象になり、自身が孤立する原因にもなります。
聞くことは決して恥ずかしいことではありません。むしろ、「わからないことをきちんと確認できる人」が信頼され、長く続けられる人です。

「私の子どもはこうだった」は通用しない——子育て経験の落とし穴

子育て経験は保育においても大きな強みですが、それを「正解」として現場に持ち込むと、かえってつまずく原因になります。

保育士は、自分の子どもではない“お預かりしている子ども”を、チームで保育し、守っていく仕事です。
性格も家庭環境も違う複数の子どもたちを相手にするとき、自分の経験をベースにしてしまうと、他の職員との認識にズレが生まれたり、保育そのものに偏りが出てしまうことも。

経験はもちろん大切。でも、「私はこうだった」よりも、「この子にとって何が必要か」を考えられる人が、信頼されていくのです。

最初から“できる風”に振る舞ってしまう

経験があることをアピールしたい気持ちはわかりますが、「これくらいわかってますよ」といった態度が出ると、周囲が話しかけづらくなることも。
特に未経験やブランクがある場合は、どんなに若い先生に対しても「教えてもらう姿勢」を持った方が自身にとってもプラスになるはずです。

見学・面接時の“印象”で不安にさせてしまった

これは見学・質問の章とも関連しますが、「やたら待遇ばかり聞く」「ややトゲのある質問」「過去に何園も点々としている」などが見受けられると、“この人と一緒に働けるか”を不安視されることもあります。
実際に、質問の仕方ひとつで不採用になってしまった方もいます。

基本の雇用条件は求人票で確認し、不明点のみしぼって質問すると良いと思います。

まとめ

保育の現場は、昔とは少しずつ変わりつつあります。
人とのつながり、働きやすさ、やりがい──
あなたのこれまでの経験が、きっと誰かの力になります。もし「やってみようかな」と思えたら、ぜひその気持ちを大切にしてください。
私自身も中途で戻ったからこそわかること、伝えられることがあります。
迷ったり聞いてみたいことがあれば、どうぞ気軽にコメントやメッセージくださいね。経験者としてお話できることがあればうれしいです。

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