まず大前提として、家庭内と外での姿が違うのはごく自然なことです。
大人も職場では身なりを整え、気を張って過ごしますが、家に帰ってまで同じ緊張感で過ごすことはありませんよね。子どもにとっての保育園は”社会”の場であり、「社会での顔」と「安心できる家庭」での顔を持つのは当たり前のことなのです。
むしろ、家庭では甘えたりリラックスできていて、園では年齢なりに集団生活のルールを意識できているのなら、それはとても健やかな発達の証です。
ただし、家庭ではとても落ち着いているのに、園でだけ困った行動が目立つというケースには注意が必要です。
本来であれば、子どもは“外”という社会的な場でこそ、少しずつルールを意識したり、まわりと折り合いをつける力を身につけていきます。そして“家”では気を緩めて、安心して甘える。これが理想的なバランスです。
このバランスが逆転している場合(=外で爆発、家では静か)には、何らかの要因があると考えられます。本人のストレス、居場所のなさ、発散のしづらさ、未消化の感情など、原因はさまざまです。
子どもの様子に「何か違う」と感じたときには、早めに気づき、園にも共有してもらいながら、共に手を打つことがとても大切です。

叱るつもりが、いつの間にか怒鳴る・感情的に怒る…という関わり方が続くと、子どもは家で「怒られないように」と“いい子”を演じるようになります。
本音を出せない家庭ではストレスが溜まり、それが園での行動として表面化することがあります。
怒ることと叱ることは違います。子どもが安心して過ごせる家庭の空気づくりが、外での安定した行動にもつながります。
詳しくはこちらの記事でも解説しています:
子どもは誰しも「見てほしい」「聞いてほしい」という欲求を持っています。
「ねえ、聞いて〜!」「見て〜!」という気持ちが満たされないと、園で先生や友だちの注目を集めたくなり、わざと困った行動をとるケースもあります。
もちろん常に相手にするのは難しいですが、
「ごはんができたらお話聞くね」など時間を区切って応じることで、安心感が生まれます。
発達段階に合わない高すぎる期待は、子どもにとってプレッシャーになります。
高校数学を小学生でできる子はほとんどいないように、その子の段階にあった”できること”があります。まだ準備ができていないのに「できて当然」「なんでできないの?」と求めすぎていないか、振り返ってみてください。
子どもは親の期待に応えたいものです。でも、**“まだその段階ではない”**ということを、大人が理解してあげることが何より大切です。
園で作った作品を見せたときに「またこんなの?」「持って帰らないよ」等と言ってしまうと、
その日の頑張りを否定されたように感じる子もいます。
また、ちょっとした一言で、やる気が消えてしまうこともあるのです。
自分のやったことを認めてほしい、気づいてほしいという気持ちを大切に扱うことで、子どもの社会性や自信は育ちます。「すごいね!」「どうやって作ったの?」子どもの頑張りを認める時間をぜひ作ってあげてください。

子育てには正解がありません。失敗に見える行動も、まだその子がうまくできる方法を探している途中なのかもしれません。
家庭では安心して甘えられる環境を、園では社会の中で学びが得られる経験を。
そのバランスが子どもにとって心地よく保たれているか、時々見直してみてください。
この記事が、少しでもそのヒントになれば嬉しいです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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